ゆきノート

好きな本や音楽、同棲中の恋人とのことなどについて。

クロノスタシス/チョコレートワッフル

木曜日の夜、仕事を終えて帰宅し、家で夕食を食べ終わってから恋人と夜の散歩に出掛けた。その日は彼が一日在宅勤務の日で家からほとんど一歩も外に出ていなかったため、ちょっとは外の空気を吸いたいと歩きに出かけるのについていった。

彼は元々歩くのが好きらしく、ずっと歩いていても苦にならないらしい。一方の私はあまり身体を動かすのは得意ではなく、できることならずっと家でダラダラと寝ていたいタイプなので、ちょっと歩いているとすぐ疲れる。それにこの季節に、しかも夜中に外にいるだけでとても寒く、体温を維持するだけで十分に体力を使う。

それでもやはり、好きな人と一緒に色々とおしゃべりをしながらのんびり歩くのは楽しいものである。家からゆっくり歩いて15分ほどの駅の方まで向かう。結構大きな駅で、この季節になると駅前がイルミネーションに彩られるのだ。それを見に行きがてら、だらだらと歩を進める。散歩中は家にいる時や電車に乗っている時と違い、スマホや本を見るタイミングがないので、自然と会話が生まれる。最近仕事中にあった話や、子どもの頃の話、明日の夕ご飯の話など、脈絡もなくたくさんの言葉を二人で紡ぐ。そうしているといつの間にか駅前にたどり着いていて、車で遠巻きに見た時はイルミネーションの電飾がすごく綺麗に見えたのに、近くで見ると意外とそうでもないことにがっかりしたりする。駅ビルの中を通って帰る間に、来週に予定されている北海道物産展のポスターを見つけ、来週末はロイズのチョコレートを買って家で食べようと約束をした。

帰りにコンビニに寄って、飲み物を買った。私はホットカフェオレ、彼は500mlの牛乳パックに入った紅茶オレ。彼は気温に関係なくアイスドリンクを好む。家で紅茶を淹れる時も、真冬なのにもかかわらずたっぷり氷を入れたグラスに紅茶を注ぐ。歩きながらそれぞれの飲み物を飲む。ホットカフェオレの合間に一口だけ紅茶織れをもらった。冷たいけれど、甘くてほっとした。

飲み物がなくなるのと同時に家に着いて、寒かったけれどたまにはこういうのもいいねと笑い合った。彼が在宅勤務の日は、夜の散歩に出かけるのが恒例になりそうだ。外の空気で冷えた身体を温めるためにシャワーを浴びているとき、きのこ帝国の「クロノスタシス」を思い出した。夏の夜に散歩をするときは、コンビニエンスストアで350mlの缶ビールを買って歩いたりするのだろうか。

 

金曜日の夜は、週末ということもあり家でお酒を飲むことにした。近所のスーパーで、酒を飲むためだけの雑な買い物をする。買い物かごに放り込むのは、いかにもお酒のあてになりそうな魚介類、惣菜、お菓子、それに2Lペットボトルのミネラルウォーター。最初はポットで麦茶でも作って冷蔵庫に常備するかと話していたが、結局面倒くさくて、うちの冷蔵庫には常にミネラルウォーターが入っている。

家に帰って私が鰤の刺身を切り、彼が子持ちカレイを煮つけにする。パック惣菜の鶏の竜田揚げとメンチカツを皿に盛り、電子レンジで加熱する。ここのスーパーの竜田揚げとメンチカツは絶品なのだ。

スーパーで適当に買った白ワインを開け、鰤の刺身、子持ちカレイの煮つけ、スーパーの揚げ物と一緒にいただく。白ワインはかなり甘口で、ご飯と一緒に飲むにはあまり進まなかった。やっぱりご飯の時に飲むなら甘くないお酒がいい。

皿が空になったら、冷蔵庫で冷やしてあったワッフルを取り出した。今週ずっと、駅中のキオスクの前でどこぞのケーキ屋さんが出張販売をしていたのだ。平日の仕事帰りに毎日、いいなあと思って店の前を通り過ぎた。週末になって、自分へのご褒美にと思って満を持してワッフルを二つ買った。こんなややこしい世の中を生きていくには、軽率に自分へ褒美をあげるのがとても効果的だということを最近学んだ。

私にはチョコレートのワッフル、恋人にはフルーツの入ったワッフルを買った。ビニールの包みを開くと、フワフワのワッフル生地の中に生クリームと細かく粉砕されたチョコレートがぎっしり詰まっている。生クリームは正直得意ではないのだけれど、夕食にしょっぱいものをよく食べたからか、この日の生クリームはなんだかすごくおいしく感じた。同棲を始めてからは、食事、睡眠共に意外と規則正しい生活をしているからか、少し体重が減った。だから、たまに夜に甘いものを食べても良い、ということに最近決めた。

好きな人と、よく食べて、よく遊んで、よく眠る。そんな生活の幸福に浸っている、今日この頃。