ゆきノート

好きな本や音楽、同棲中の恋人とのことなどについて。

車を売った。

この週末、2年半乗った車を手放した。

社会人1年目の時、実家暮らしだったのだけど、ド田舎で周りに駅がなく最寄り駅までとても歩いていけない距離だったので通勤用に車を買った。ピンク色の軽自動車だ。

昨年秋に恋人と同棲を始め、めでたく駅まで徒歩か自転車で行ける距離に住むことができた。ピンクの軽は必要なくなった。引越し先のマンションには駐車場が1台分しか確保できず、恋人の所有しているでかい車をそこに停めることになった。でかい車の方が、たくさん荷物を積めるし何かと便利だ。私の車はとりあえず実家に置いておくことになった。

車検の時期が迫ってきた。2月後半に車検が切れる。それまでに、車検を通すか、売るか、どちらかに決めなければならない。

売ることに決めた。これまで引っ越してからの数ヶ月間、実家に車を置いておいたがほとんど使う機会はなかった。実家と今住んでいる家は車で20分の距離なのでちょこちょこ帰る機会はあるのだが、実家に向かうにも母が迎えに来てくれるし、実家の方面で買い物に行くにも家族と一緒に父や母の車で行くのがほとんどなので、私の車の出番はない。

引っ越してから3ヶ月を経ずとも、私の車がもうお役御免なのは正直分かってはいた。それでも車検が切れるギリギリまで売却に踏み出さなかったのは、やはり車を手放すのがなんだか寂しかったからだと自分で思う。

生まれて初めての100万円を超える買い物。通勤での必要に駆られて、地元のディーラーに母と一緒に車を見に行ったことを覚えている。母は安全性を評価して丈夫さが売りの四角い車を私に勧めたけれど、私が最終的に選んだのは華やかなピンク色をした丸みのある車だった。一番の決め手は、アラウンドビューモニターの機能がついていることだった。自分が駐車の時に距離感を測るのが苦手だということには教習所の段階で勘づいていたので、私の運転技能のなさを助けてくれると思った。

しかし、見た目の可愛らしさがやはり大きかった。「いかにも女が乗ってます」というような車は無礼なドライバーから舐められたり煽られたりするのでやめた方がいいんじゃないかとも思ったが、自分の「好き」を蔑ろにできなかった。車の見た目やドライバーの性別でマウントを取ってくるような不躾な奴らのために私が選択を変えるのも癪だった。

車を購入し、毎日それに乗って通勤した。カーオーディオで好きな曲をかけて、時には合わせて歌いながら走る。やはり運転は苦手なので運転して行ける場所は限られていたけれど、自分だけで行ける範囲が格段に広がったのが、自由を手にしたようで嬉しかった。

就職してから2年半お世話になった私の軽。とうとうお別れの時が来てしまった。

この前の土曜日に、恋人と車の買取業者の店舗を訪ね、私の車の査定と買取をお願いした。妹に貸した時に摺ってついた傷がそのままだった割には、意外と高い査定額だった。走行距離が1万キロ以下と短かったのと、まだ新しく綺麗だったこと、それに珍しい色だったのが良かったらしい。市場にあまり出回っていないピンク色。ぜひとも展示車にしたいくらい状態が綺麗だと言われた。道理で私もこの色に惹かれた訳だ。

私が2年半連れ添った相棒に高く値がついたのはとても嬉しかったけれど、それだけ多くの人が欲しがる可能性のある代物だと聞くと、勿体ないような惜しいような気持ちになった。

私はこの手の価格交渉は死ぬほど苦手なので、全て恋人に任せてしまった。私は隣でウンウン頷きながら話を聞いていた。買取業者の方からは、多分一人じゃ何もできない可哀想な女に見えていたと思う。しかし適材適所。こういうのは得意な人に任せてしまった方が己のストレス的にもコストパフォーマンスも的にも絶対的に良い。恋人には負担を掛けて申し訳なかったけれど。

買取価格が定まり、書類の手続きをする。手続きは何事もなく進んだ。これでさあいよいよ入庫ということになるのだが、この時は売却する当の軽自動車でお店に来ていたので、今入庫してしまうと帰る手段がなくなる。というわけで、一度実家に帰って母の車と2台で出直すことにした。

実家に到着。そしてすぐに出発する。これがいよいよ最後のドライブになる。車内に忘れ物がないかを確認。カーオーディオにCDを入れっぱなしだったのを思い出して慌てて取り出す。山Pの「CHANGE」が入っていた。インハンド好きだったなあ。あれはいいドラマだった。

さて、これだけ言っておいて結局私は最後に車を運転することはなかった。買取店がバイパスの大きい道路沿いにあるので、そこまで運転するのが怖いとぼやいたら妹が運転してくれることになった。渋ることもなく喜んで運転席を引き渡した。私の車への愛なんて、運転への恐怖心に簡単に負けるぐらいのもんだった。結局。でも本当に車には感謝してる。私が遅刻することなく仕事に通えたのは君のおかげだよ。ありがとう。ピンクの軽。

余談だが、そして思いっきり下ネタで申し訳ないが、以前ネットで大人のおもちゃを買ったことがあった。その時の空き箱が、結構大きかったのもあって捨てるに捨てられず、車のシートの下に隠しておいた。いつか片付けようと思っていたが、なかなかタイミングがなくずっとそのままだった。私が引っ越してからも実家に止めてある車の中に置き去りの空き箱。そこで先日車の査定に行こうと実家に帰ると車内が綺麗に片付いていた。スムーズに車を査定に出せるように片付けておいてくれたらしい。母が分けておいてくれたという袋の中を確認すると、もちろん問題の空き箱もちゃんと袋の中にある訳で。25歳OL、実の親に性事情を知られてしまっていたたまれない。そんな話。

しみじみとした話にまとめるつもりが下ネタで終わってしまった。そんな感じでほどほどにしょうもない週末を過ごしていました。


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車の写真を載せたかったけど撮ってなかったから前の祝日に母と妹とお茶したときの写真。
それではこの辺で。