ゆきノート

好きな本や音楽、同棲中の恋人とのことなどについて。

帆立への賛辞/年賀状

好きな食べ物を聞かれたら、蟹と答えるように決めていた。しかし私はこの年始、そこに帆立を加えることに決めた。

帆立はとても美味しい。美しい味と書いて美味しい。まさにその通りの味である。しかも見た目も素晴らしい。殻付きでも、貝柱の刺身フォルムでも、ひも付きのボイルフォルムでも、どんな姿でも美しい。丸々として愛らしい貝柱に、ほんの少しグロテスクな肝とひも、それを挟み込む無骨な形の貝殻、それぞれ質の異なるパーツが見事に調和して帆立という生物を形作っている。

なぜ急に帆立について熱く語り始めたかと言うと、年末年始に帆立を食べる機会が多く、その素晴らしさを再確認したからである。刺身、寿司、ボイル帆立、様々な形の帆立を食べた。ホタテの良いところは、魚の刺身のような脂っぽさがないところである。淡白で、それでいて濃厚な旨みと甘み。20台も半ばに差し掛かり決して強いとは言えなくなった私の胃袋には、トロや鰤のような脂の乗ったものより、帆立のようなさっぱりとしたものが丁度いい。

貝繋がりで言うと、昨年末に滑り込みでふるさと納税とやらをやってみた。今月中に我が家に殻付きの大あさりが届くはずである。ビールとともに頂くのが今から楽しみだ。

 

大学時代の友人から年賀状が届いた。彼女は昨年に結婚したため、彼女の夫との連名だった。結婚式には私も共通の友人とともに招待してもらい、夫さんとも面識がある。年賀状には夫婦の2ショット写真と、このご時世に家の中で楽しむために購入したのであろう2本のギターの写真が載せてあった。入籍から1年以上経った今も変わらず楽しい夫婦生活が送れているようで、私も嬉しくなった。

私は数年前から年賀状を誰にも送っていないため、返信も年賀葉書を送ることはせず、LINEに留めた。年賀状が届いたことと送ってくれたことへの感謝、それに状況が落ち着いたら会いたい旨を送信した。しばらくすると返事が返ってきた。ゴールデンウィークに友人何人かでリモートお茶会をして以降、半年以上会っていなかったので、LINE上とは言え話ができたことにほっとした。

この状況下で色々な人と面と向かって話をする機会がなかなか取れず、このまま疎遠になってしまいそうで不安になったりする。そういう時に、この年明けというタイミングで「明けましておめでとう」という全国共通の言葉を贈り合うのは、「こんな時でもあなたとはこれからも仲良くしていきたいから」という意思の交換のようで悪くないなと思った。