ゆきノート

好きな本や音楽、同棲中の恋人とのことなどについて。

第一の相手でよかった

最近はよく、お風呂に入るときに湯船に浸かる。

普段はシャワーだけで済ませてしまうが、ある日あまりに寒すぎて、湯船に浸かることにした。するとこれが、かなりよかった。身体の芯からぽかぽかしてきて、どんどん汗をかく。なるほどこれは身体によさそうだ。それからはなるべく毎日湯船に浸かるようになった。

入浴中は、音楽を掛けながら一緒に歌ったり、ドラマを見たりする。

今日はドラマを見ていた。ドラマの中では、不倫を週刊誌にすっぱ抜かれた女優が「彼を好きになったのが奥さんより後だっただけ。それを他から悪く言われる筋合いはない」と言っていた。

私が恋人と付き合い始めたとき、恋人に他の相手がいなくてよかったと思った。お互いフリー同士の時に始まった恋だから、私たちは何の気兼ねも心配もなくこの関係を大切にできる。不倫や浮気の是非はとりあえず置いておくとして、それも一つの愛の形であることには違いないのだ。もし私が好きになった恋人が、その時点で誰かのものだったら私はどうしていただろう。

恋人はたまに、「雪が浮気をしないか不安だ」と言う。私は絶対に浮気をしない自信があるので、毎回そんなことありえないから心配しなくていい、と返している。私は浮気を憎んでいる。万が一この先、恋人が浮気や不倫をした場合には、そこが私たちの関係の終わりと決めている。自分だけに愛を誓ってくれたはずの相手が他の相手にも同じことを囁いているということに耐えられないと思うからだ。絶対にありえないが、もし私が浮気をした場合、恋人はどうするだろうか。私と同じく別れを告げるかもしれないし、私が反省を示せばそのまま変わらず交際を続けることを選択するかもしれない。しかしどちらにしろ、私が恋人以外の相手に恋心を抱いたという事実は恋人の中にいつまでも残り続けるのだ。

だからこそ、私たちがお互いに「第一の相手」でよかったと心から思う。第二以下だった場合、どうしても罪悪感やいたたまれなさ、それに相手には別の人がいるということに対する不安や嫉妬を抱えながらレンアイをすることを強いられるだろう。そんな負の感情と隣り合わせの恋愛、純粋に楽しめなし、私はその状況に耐えられない。

適切なタイミングで、互いに心から大切だと思える相手に出会えたこと。それはなんと幸福で、奇跡的なことなのか。長く付き合っていると、この先もやっていけるだろうかと不安になることもある。でも、それでも相手と一緒にいられることの素晴らしさ、尊さは変わらない。互いに幸せだと思える関係を、作り続けていきたいと思った。

湯船から上がって、浴室のドアを開ける。洗面所の鏡に映る自分の姿を見て、美しいと感じた。自分の中のナルシズムに少し呆れながらも、今だけの美しさも若さゆえの自惚れも、丸ごと愛し続けてもらえるような人間でいたいと思った。