ゆきノート

好きな本や音楽、同棲中の恋人とのことなどについて。

嗅覚過敏と付き合っていく

最近気づいたんだけれども、私は嗅覚と味覚がちょっとだけ過敏だ。

自分の家以外の場所にいる時、特に電車の中とかだと特に、他人の匂いが妙に気になってしまったり、匂いがトリガーになって頭痛や吐き気を起こしてしまうことがある。

また、ちょっと味の濃い目のものを食べていると、数口でそれ以上食べられなくなってしまうことがよくある。そういう時は、舌が軽く麻痺したように感じる。

世の中には、日常生活に支障をきたすレベルでそういった感覚が過敏な人が多くいるのだと思う。匂いに耐えられず人混みに行けなかったり、電車に乗ることができなかったり、そういう人は少なくないのだろう。匂いのせいでざらに動けなくなったり戻してしまったりする人もいると思う。味覚が過敏すぎて、食事をとることもままならない人もいるだろう。

それに比べれば、私の感覚過敏は全く大したものではないので、多少の不便と不快感に妥協すれば、至って普通の生活ができる。電車に乗るときや、人混みや職場で他人の匂いが気になるときはマスクをすればいい。香水や化粧品の香りは自分がつけているものですら気になってしまうことが多いので、香水は使わず化粧品も無香料のものを選ぶようにしている。食事は味の濃くないものを選べばいいし、食べている途中に「これはもう無理だな」と思ったら無理せず食べるのをやめる。頭痛がした時も市販の薬で抑えられるレベルだし、吐き気を催しても幸いそれは軽いことが多く、実際に戻してしまうほどのものであったことはない。

このように、私の場合は自分の感覚過敏による体調不良に対する予防にそこまでの労力を要しないので、特に問題なく日常生活を送れているわけである。

ただ、もしも一緒に暮らす人や普段接する距離の近い人の匂いが苦手なものだった場合、生活に支障が生じてしまうのだろうなと思う。具体的に言えば、家族や恋人の匂いがどうしても自分に合わなかった場合、相当生活するのが大変なんだろう。

幸いなことに、家で家族と暮らしていて匂いのせいで体調を崩してしまうことは今のところない。生まれた時から共に過ごしてきた家族なので、気にならないのは当然のことなのかもしれない。

本当に良かったと思うのは、恋人の匂いがほとんど気にならないことだ。私の感じる限りでは、恋人はほぼ無臭だ。男性特有の汗のにおいなども、今のところ特に気になったことはない。恋人の家に泊まりに行くときに他人の家の生活臭が少し気になったことはあったが、4年も通っているのでいつの間にか慣れていた。

かれこれ5年以上一緒にいるので、自分の嗅覚が恋人の匂いにも適応したというのもあるのかもしれないが、それが苦手な匂いだったら、ここまで一緒には居られなかったと思う。匂いの相性が良くて、本当によかった。

ただ、恋人自体の匂いはいいのだけれども、生活環境的なことを言うと、今後恋人と一緒に暮らすことになった時を考えると多少の不安はある。例えば、私は食事をしていないときに食べ物の匂いがするのがすごく苦手なので、基本的に食べ終わった食器はすぐに片づけたい。恋人はだいぶズボラなので、食べ終わった食器は翌日までテーブルに放置、ということはザラだし、流し台に持って行っても数日洗わず水につけたまま放置というのもいつものことだ。私は自分自身が気になるし、まず食卓に食器がそのままの状態だと嗅覚的にも精神的にも気になって眠れないので、どうしても片づけてからでないとベッドに入れない。そういった私の神経質なところが、恋人をうんざりさせるのではないかと不安に思うこともある。週に2回泊まりに行っている今ですら、私がサッサと皿洗いを始めるので「そんなの後でいいじゃん」「私がやりたいからやってるの」というやり取りがよくある。共同生活をするのであれば、お互いの体質についてもちゃんと知ったうえで気配りをしなければと思う。

他人と暮らすのは大変なことだ。でも、その大変さを上回るほどに、その人と一緒に暮らせる幸せがあるんだろうと思う。親しき中にも礼儀あり。その時が来たら、同居人といえども心遣いを忘れないようにしたい。