ゆきノート

好きな本や音楽、同棲中の恋人とのことなどについて。

伊豆旅行記①プリン、トリックアート

旅行に行ったときは、その時に体験したことや思ったことを忘れないように文章として残すと決めている。

先日、恋人と伊豆旅行に行った。もともとは台湾旅行の予定だったのだが、色々あって中止になってしまった。その代わりとして計画したのが今回の旅行だった。伊豆に行こうと決めたのは出発の5日前。なかなかの弾丸ツアーだ。

今回は車で旅先まで移動することにした。名古屋から伊豆まで約4時間。恋人は車を持っておらず、私の車も軽自動車のため高速道路を走るには心もとなく、そのためレンタカーを借りることにした。私にとっては人生初のレンタカーだ。

私は毎日通勤のために自分の車を運転してはいるが、毎回10分間同じコースを往復するだけなので特に運転が上手いわけではなく、それに対して恋人は年に数回男友達とレンタカーで遠出をすることがある。四国まで行っていたこともある。男ってのはすごい。そういえば小学生の時はクラスの男子が結構遠くにあるショッピングモールに2,3時間かけて自転車で行ったなどと聞いて驚いていた記憶がある。乗り物に跨ってどこまでも行ってしまう、それが男の性なのかもしれない。

そういうわけで、高速道路の運転は恋人にお願いすることにした。他人の運転の上手さは私にはよく判断できないのだが、特に問題なく目的地にたどり着いたあたり、多分彼はそれなりに運転が上手いのだと思う。途中、富士山が見えてテンションが上がったり、海沿いを走っているときはケツメイシの「夏の思い出」をカーオーディオで流すなどして盛り上がった。海沿いをドライブ中に聴くのはアネッサのCMソングに限る。

熱海駅に到着したのは昼過ぎ頃。昼食にしらす丼を食べた。釜揚げしらす生しらすが半々になって白飯の上に乗った、二色丼。特に生しらすは、感動するほど美味しかった。熱海には4年ほど前に友人とも来たことがあるのだが、その時も生しらす丼を昼食にチョイスしていた。その時は、生しらすの生臭さが脳内を支配してしまってそんなに美味しいと思えなかったことを覚えている。それが今回は心から美味しいと思えたのは、多少私の舌もあの頃よりは肥えたということなのだろうか。好きな食べ物に挙げるのがオムライスやカレーで、つくづく自分は子ども舌だと思っていたのだが、意外と自分も「大人舌」になってきているのかもしれない。

食後はそのままの勢いでデザートを食すことに。しらす丼を食べた店の近くに、「熱海プリン」なる店が建っていたのでこれを食べることにした。私は旅行に行くときは、出発前にインスタグラムで「#○○旅行」で検索をかけてみんながどこへ行っているのか調べるのだが、「#熱海旅行」で調べてみると大量に出てきたのが「#熱海プリン」だった。プリンが牛乳瓶のような形をした小さな瓶に入っていて、なるほど、これは写真映えする。熱海プリンはさすがの人気ぶりで、店の前には行列ができていた。熱海の温泉街は道幅がそんなに狭くなく、そして熱海プリンの店は結構交通量の多い交差点に面している。そのため、店の前の行列は数メートルで一旦途切れ、店の前の信号を渡った先に行列の続きが形作られている。専属の交通整理用の人員と思われる、警備員の格好をしたおじさまが、信号が変わるたびに横断歩道を行ったり来たりして、間違えて行列の途中に並んでしまう人を交差点の向こうの行列に案内したり、行列に並ぶ人にメニューを渡して回ったりと一生懸命動き回っていた。「おじさんはもう歳だからこうやって走り回ったりするとすぐ息が切れてしまうんだ」「どこから来られました。東京ですか、層ですか」と絶妙なコミュニケーションを行列と交わしながらひたすら交差点を行ったり来たり。熱海プリンにはもともとマスコットキャラクターがおり、それは温泉に浸かるカバという形態をしているのだが(なぜカバなのかは不明)、警備員の格好をした彼も間違いなく、ここのマスコットの役割を果たしていると思う。

海辺の強風に煽られ髪を振り乱しながらプリンを食べ、お腹いっぱいになって所で車を使って移動する。向かったのは熱海トリックアート迷宮館。熱海城の隣に建っている。ここには自分が隣に立って撮影することでビックリ写真を撮ることができるというなかなかの面白スポットで、私たちは(というか主に私は)年甲斐もなく写真を撮影しまくった。部屋の隅にサメの絵が描いてある空間の床に仰向けに寝そべり、足を大きく上下に広げて写真を撮影し、スマホの向きを90度変えてみると、写真の中の私は海面から顔を出したサメの上下の顎に両の足の裏を合わせた態勢で、今にも食べられそうな状況だった。それにもかかわらず満面の笑み。なかなかにシュール。こういう写真を20枚ほど撮った。頭の上にコアラを乗っけた写真が気に入って、後でLINEのアイコンに設定した。

正直ここに行く前は、私も恋人も妙に冷めたところがあるので中途半端に恥ずかしがってろくに写真を撮れずに終わるのではないかと思っていたのだが、実際はびっくりするぐらいにはしゃいでしまった。恋人が小さめのお猿さんに財布を取られそうになっている写真も気に入っている。まさに旅の恥はかき捨てというもので、周りが恐らく自分たちよりも年下の大学生のカップルや友達同士のグループばかりなのも気にせず、大人の私たちは子どもみたいに写真をとりまくった。もう館内のコースも後半に差し掛かったころにはほとんど顔芸大会と化していて、いかにポーズと表情がちぐはぐな写真を演出できるかを競う状態になっていた。私たちは恋人同士だけど、きっと一番の親友でもあって、こういう時に羽目を外して楽しめるのもいいことだなと思う。

なんだかとても話が長くなりそうなので、今日はここまで。あと2,3回にわたって旅行について書くことになりそうです。